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2000.4

えっ、返したのに借りられないの?

−安定化保証を利用した人は要注意−

●金融安定化特別保証はハードルが高く

従来の無担保保証枠とは別枠でさらに50,000千円まで無担保保証が受けれられる金融安定化保証制度について、今年の4月1日から申し込みのハードルが高くなりました

今までは、赤字の穴埋め資金という後ろ向きな資金調達であっても利用は可能でしたが、審査が甘くて回収可能性に問題があるとの批判も多いことから、今後この制度を利用するためには前向きな資金調達であることを裏付ける事業改善計画書という所定の用紙の提出が求められるようになったのです。

いずれにしても、金融機関の積極的なアプローチもあったためこの制度を利用された方も多いのではないでしょうか。

●おかげで資金繰りは一息

さて、信用保証協会の行う信用保証制度には、担保を徴求する有担保担保制度と担保を必要としない無担保保証制度がありまが、今回は無担保保証制度のお話です。これは、借入を行った中小企業者が万が一返済不能になった場合でも信用保証協会が金融機関に返済してくれるため、金融機関も担保能力の少ない中小企業者に対しても融資をしてくれるという有用な制度です。みなさんが利用なさっている市町村や都道府県等の制度融資もこの無担保保証枠を使って融資がなされているのです。

しかし、長引く不況と金融不安の結果、金融機関が独自に担保を徴求し貸し付けるいわゆるプロパー融資よりも安全性の高い信用保証協会の保証をつけた融資(マル保融資)を優先する姿勢をとるようなった結果、従来一中小企業当たり35,000千円だった無担保保証枠を50,000千円に引き上げたにもかかわらず、中小企業者の資金繰りは逼迫することになりました。

そこで、政府は平成10年10月、緊急避難的に一中小企業者当たり50,000千円の従来の無担保保証枠とは別枠で最大50,000千円までの金融安定化保証という名の無担保保証枠を設定し、これを利用した中小企業者の資金繰りは一息つくことになったのです。

●別枠の意味・・・

都道府県の制度融資等を利用し従来の無担保保証枠を限度一杯利用している方でも、金融安定化保証枠は「別枠」であるため、さらに無担保で最大50,000千円までの借入を行うことができました。つまり、無担保で最大100,000千円までの借り入れができたことになります。では、この後無事に都道府県等の制度融資を10,000千円返済したとしましょう。従来の無担保保証枠と金融安定化保証枠は「別枠」であるし、きちんと返済もしたのだから、次に資金が必要なときには、空きのできた従来の無担保保証枠を利用して折り返しで都道府県の制度融資が申し込めると誰もが考えるのではないでしょうか。

しかし、結論からいって、この状態では、都道府県の制度融資の折り返し融資を申し込むことはできません。それは、あくまでも一中小企業者当たりの無担保保証枠は50,000千円だからです。従来の無担保枠が一杯であっても、金融安定化保証枠を利用した融資は可能ですが、その後、従来の無担保保証枠に空きができたとしても、あくまでも、一中小企業者当たりの無担保保証枠は50,000千円なので、金融安定化保証を利用した借入残高を含めた合計が50,000円以上である場合、従来の無担保保証枠を利用することはできないのです

非常にわかりにくいので、無担保保証枠を段ボール、それを利用した借入残高をミカンにたとえて説明してみます。ミカンの一杯詰まった従来の無担保枠という段ボールの上には、金融安定化保証という別の段ボールもその中にミカンを乗せることが可能です。しかし、その後、従来の無担保保証枠の中からミカンを抜き取ってしまう(つまり返済がすすむ)と、上の段ボールの重みでその枠がつぶれてしまい、そのままではそこにミカンを入れることはできないのです。どうしても、従来の無担保枠という段ボールにミカンを入れたい(つまり、折り返しで従来の無担保枠を使った借入をしたい)のであれば、折り返し借入後でも金融安定化枠を利用した借入残高を含めた合計で50,000千円以下になるように金融安定化保証枠を利用した借入を一度返済しなければならないのです。これを、金融安定化枠の段ボール理論といいます。(そんなこと私しか言っていないです。(^^))

なお、上記の取り扱いは、各信用保証協会によって変わるため、実際の無担保保証制度の利用に関しては、必ず金融機関等に確認をとるようにしてください

●借入は順番に注意!

この他にも、同じ制度融資でも市町村の特別小口資金を利用していても、追加で都道府県の無担保無保証人融資の申し込みは可能なのに、都道府県の無担保無保証人融資を先に利用している場合には、追加で市町村の特別小口資金の利用ができない場合等もあります。

要するに、資金調達をする場合には、借入の順番が大切と言うことです。借入を行う順番によっては、全体の調達可能額が大きくなったり、小さくなったりしますので、慎重な判断が求められるということでしょう。



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