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2000.5

更新型保険は本当に無駄なのか

−商品の問題ではなく販売スタイルの問題−

●更新型保険って何?

生命保険には、大きく分けて被保険者が死亡した際に保険金が下りる死亡保険と被保険者が一定期間生存した場合に保険金が支払われる生存保険、そしてそれらを混合した生死混合保険に分けられます。また、死亡保険は保障期間の定められた定期保険とその保障期間を生涯とする終身保険に分けることができます。

そして、この終身保険をベースに必要保障額の大きい時期に定期保険を組み合わせたものが定期付き終身保険です。

さらに、この定期保険の保障期間を長くとり、その期間中の支払い保険料を変えないものを「全期型」、当初の保険期間を短くとった上で期間満了後に更新を繰り返し、その都度支払い保険料を上昇させていく「更新型」に分けられるのです。

●マスコミの論調では・・・

日産生命や東邦生命が破綻し、生命保険契約に世間の注目が集まると、マスコミの中には、この定期付き終身保険を「今まで50,000千円の保険に入っていると思っていた人が、60歳になった途端、保障額が20分の1になってしまう。今までと同じ保障にしたければ保険料は今の2倍なってしまう恐ろしい保険」だとか、特に更新型については、「最初は安い保険料だと思って加入したのに、すぐに更新が来てどんどん保険料が上がっていく詐欺まがいの保険」とエキセントリックに論じるものも見られました。

結論から言ってこれは、商品の特性については事実です。ただ、保険には収支相等の原則というのがあり、加入者全員から預かった保険料と支払われる保険金額は同額になるようにそもそも支払保険料は計算されています。よって、保障額が少ない保険はそもそも支払保険料も安くなっているはずです。

生涯にわたって保障がある終身保険と若年層の10年更新型保険の保険料が同じであるというのであれば、「10年更新型保険は詐欺だ」という論調にも賛成できますが、そもそも支払保険料が全然違うのでは・・・。それこそ、10年更新型と同じ保障額の終身保険に加入したらいくら若くても保険料はそれこそ数倍にアップすることでしょう。

●確かにひどい加入例もある

以前、私のお客様の生命保険加入状況を見させていただいたところ、その方は独身で80歳のお父さんと暮らしていたのですが、何とそのお父さんを受取人とする10年更新型の定期付き終身保険70,000千円(うち終身は3,000千円のみ)に加入していました。いったい、お父さんは息子が先に亡くなってそのお金をもらってどうしようというのでしょう。それも、終身保険や全期型の定期保険であればであれば若くして加入することにより保険料負担が無理なくできる(総額は大きくなりますが)という説明も成り立ちますが、10年更新型では若くして加入する意味もありません。実際に販売したセールスレディにそのことを正したところ、二度とその会社には現れなくなりました(^^)

これは、明らかに顧客ニーズを無視した生保会社本位の販売戦略であり、このような販売を続けている限り、批判をされても仕方のないことでしょう。ただ、私は、更新型の定期保険自体を批判するのはおかしいと考えています。格安な料金で高額の必要保障額をカバーできる保険は使い方によっては、有用な商品となるからです。

●必要保障額についてもう一度考えてみる

そもそも必要保障額というのは、その人のライフステージで大きく変化してくるはずです。小さな子供が生まれたばかりの世帯主は、必要保障額も高額となりますが、子供が育つに連れその間の死亡リスクはなくなるので必要保障額は毎年逓減していくはずです。

ですから私は、若年層には、常に保障額が同じ定期保険よりも割安な保険料で、一定の期間までは、いつ死亡しても死亡後遺族は毎月定額保険金が受け取れる「収入保障保険」や、毎年保障額の減少していく「逓減定期保険」をおすすめいたしております。ただしインフレには弱いので、状況に応じて後に保障額を増額する必要もあるでしょう。別に更新型の定期保険でもかまいません。更新の度に保障額を減らせばよいだけのことです。

私自身も現在、保険料の割安な県民共済保険と某外資系生命保険会社の収入保障保険、そして健康体割引のついた10年更新型の定期保険で必要保障額をリーズナブルに満たしています。もちろん更新時には、保障額を減額しそのときの必要保障額にあわせて行くつもりです。保険料節約分がきちんと貯金できればいいのですが・・・

どうして、30歳にもなって立派に大人になった子供によちよち歩きの子供と同じ養育資金を残す必要があるのでしょう。「保険金を子供に残したい?。」残すのは預金にして下さい。保険は、そもそも損失の穴埋めに使うものでそれで財産を作るものじゃありません。天寿を全うしても支払保険料以上の保険金を得ようと言うのでしょうか。それじゃ、風邪薬を大量に飲ませたY木容疑者と同じ発想ではありませんか。(^^)それに、長生きをして生命保険料が無駄になったということは、人生においては幸せなこと何じゃないですかね・・・。



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