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2002.2

支払利息は保険料?

−借りておくべきか借りないべきか−

●答えは、ケースバイケースに決まっているけど・・・

お客様からよくある質問で「こういう融資を銀行から提案されたのだが、すぐには必要ないけれど借りておくべきか借りないべきか」というものがございます。もちろん答えはケースバイケースです。その会社の財政状態・返済財源・与信枠・金利動向等を総合的に検討しお答えすることになります。

そんなのは分かり切っていることなので(^^)ここでは、一般的な方向性として「どんな方がどんな金額までは金利を無駄遣いしても借りておいた方がよいか」を検討してみましょう。

ここで言うことは異論を唱える方がいらっしゃるかもしれませんが、資金調達に苦労した方であれば申し上げることの意味はおわかり頂けるかもしれません。

●どんな人が借りておくべき

まずは、大前提として、不必要な資金を借りてその資金に使い道がなく現金預金として会社に留保されていたのであるならばそこでの資金調達コスト(支払利息ー受取利息)は無駄遣いということになります。ですから、財務管理のテキストを見ると「必要な資金額のみのタイムリーな資金調達」こそが財務体質改善の第一歩として語られています。

しかし、どうもそれらの考えの基本には、「資金はいつでも調達できる」という前提があるように思われます。業績好調の大企業であればその前提が成り立つかもしれませんが、多くの中小企業では
どうでしょうか。そうはいかないでしょう。であるならば、そのよう企業ではある程度の金額まですぐに資金需要がなくても、借入をして現預金をプールしておくことは、経営環境変化を乗り切るための「保険」として意義があると私は考えます。比較的融資のハードルが低かった金融安定化保証が終了した今になって「あのとき借りておけば良かった」と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。(^^)

私の結論は、「いつでも借りられる人は、出来るだけ借りぬな。そうでない人は迷ったら借りておけ!」と言うことです。いつでも借りられる人とは、業績好調の人ではありません。業績なんてホントに流動的なものです。そのことは、金融機関もよ〜くわかっています(^^)。決算前に涙ながらに何とか借りて下さいといっていた人が、業績が悪くなるとこれが同じ人かと思うほどものすごい勢いで回収に来ます。この傾向は、資金需要が少なくそれでいて新規の不良債権は絶対出せないという金融機関の今日の事情の前では強まることはあっても弱まることはまず間違いないでしょう。

いつでも借りられる人とは、(1)十分な担保か有力な保証人が用意できる人、あるいは(2)比較的融資条件のハードルの低い制度融資等がいつでも利用可能な人のことです。このような人は、当然「必要な資金のみをタイムリーに調達」していくことが、財務体質の健全化には重要であると言えるでしょう。

「保険料」と思えるのはこの程度まで

だからといって、無限に借りることは出来ません。無駄にした資金調達コストを「経営環境変化乗り切り保険料」と認識できるのは大体下記の金額までではないでしょうか。あくまでも個人的な見解ですけどね。

資金調達コスト(支払利息ー受取利息)の総額が製造・小売業(粗利率30%程度)で売上高の2%、卸売業(粗利率15%程度)で売上高の1%を越えない程度にしておいたほうがよいでしょう。これ以上だとちょっと借りすぎではないでしょうか。また、一般的にこの金額を超えると業種的特性からして、最終利益の獲得は難しいと言われています。もちろんどうしても必要であればもちろんそれを越えても致し方ありませんが、そういう方は借りておいて備蓄するというのよりも、今すぐに資金が必要な方ではないでしょうか。それであれば借りるかどうかなど悩むことないですものね。(^^)

●中には注意が必要な人も

もちろん、実際の借入の際には前述の通り融資残高や返済財源等を総合的に勘案する必要がありますが、それ以外にも注意を要する項目があります。それは、借入実施の順番です。

例えば都道府県が実施する無担保無保証人融資は市町村が実施する特別小口資金の融資残高があっても利用可能ですが、特別小口資金については他の保証協会の利用残高がある場合、一切利用が出来ないからです。ですから、借入を実施する順番を誤ることによって無担保・無保証人・低利・固定という好条件の融資利用枠を自ら縮小してしまうことになるのです。
これらのことは、すべての金融機関の担当者が認識しているとは限りません。担当税理士と必ず事前に協議しましょう。もちろんすべての税理士が認識しているとも限りませんが。(^^)

また、公共事業の入札に参加している企業では、決算期末に融資残高がある場合大幅に経営事項審査の点数を引き下げる場合もあります。ですから、決算期末については新たに資金調達をするどころか無理のない範囲で出来るだけ融資残高を圧縮する必要がある場合すらあるのです。
この点については、今後の資金繰り計画と経営事項審査のシミュレーションをしながら担当税理士と必ず事前に協議しましょう。もちろんすべての税理士が認識しているとも限りませんが。(^^)



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