| ●マル保付私募債とは |
そもそも私募債発行とは、特定の縁故者等を引受先として社債を発行することにより資金調達をすることをいいます。しかし、多くの場合には、その企業の信用力だけでは、中堅・中小企業の社債を引き受けてくれる先を確保することは困難なのが現状です。
そこで、その社債に保証協会が保証を付けることによりその私募債の引受を円滑に行おうとする制度がこの特定社債保証制度(マル保付私募債)なのです。実際には信用保証協会と金融機関の共同保証であり、100%を金融機関が引き受けるため、本来の直接金融による資金調達と言うよりは、別枠のマル保付融資(信用保証協会保証付融資)といったところかもしれません。
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| ●基準は緩和、しかし未だ優良企業限定 |
この制度の資格要件がH14.4.1から一部緩和され、利用可能な事業所が増えることとなりました。
■従来の資格要件
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項目 |
基準 |
充足要件 |
| (1) |
総資産額 |
500,000千円以上 |
必須要件 |
| (2) |
自己資本比率 |
15%以上 |
ストック要件(1つ以上充足) |
| (3) |
純資産倍率 |
1.5倍以上 |
| (4) |
使用総資本事業利益率 |
5%以上 |
フロー要件(1つ以上充足) |
| (5) |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
1.0倍以上 |
■新資格要件
1,純資産額500,000千円以上の企業(従来通り)
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項目 |
基準 |
充足要件 |
| (1) |
総資産額 |
500,000千円以上 |
必須要件 |
| (2) |
自己資本比率 |
15%以上 |
ストック要件(1つ以上充足) |
| (3) |
純資産倍率 |
1.5倍以上 |
| (4) |
使用総資本事業利益率 |
5%以上 |
フロー要件(1つ以上充足) |
| (5) |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
1.0倍以上 |
2,純資産額300,000千円以上500,000千円以上の企業(新設)
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項目 |
基準 |
充足要件 |
| (1) |
総資産額 |
3億円以上5億円未満 |
必須要件 |
| (2) |
自己資本比率 |
20%以上 |
ストック要件(1つ以上充足) |
| (3) |
純資産倍率 |
1.5倍以上 |
| (4) |
使用総資本事業利益率 |
10%以上 |
フロー要件(1つ以上充足) |
| (5) |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
1.0倍以上 |
保証協会と金融機関の共同保証であるため、他の全額代位弁済請求の出来るマル保付融資と異なり、当然のことながら金融機関の審査もかなり厳しくなります。
この制度の利用が可能なのは公開企業までは行かないものの地元での有力企業。別の言い方をすれば、わざわざマル保付私募債を発行しなくても、金融機関がプロパー融資を実行したくてしたくて仕方がない企業ということになるでしょう。(^^)私の顧問先様でも実際に実行されたのはまだ1社のみという状況です。
ですから、残念ながら金融機関が貸してくれないから私募債でも発行しようという方にはまず利用できません。
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| ●マル保付私募債のメリット・デメリット |
では、この制度を利用しなくても十分資金調達が可能な企業があえてこの制度を利用する必要があるのかを通常のマル保付融資と比較して検討してみましょう。
1,メリット
| (1) |
長期の安定した資金調達が可能 |
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期間は2-7年の一年単位、返済は満期一括償還で利払いは6ヶ月後払い、かつ固定金利である。 |
| (2) |
200,000千円まで無担保での発行が可能 |
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通常の無担保保証枠80,000千円とは別枠で無担保での資金調達が可能。さらに有担保であれば500,000千円までの発行が可能(ただし、安定化保証制度を除く保証制度との合算で500,00千円が上限) |
| (3) |
保証人が不要 |
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保証人が不要で資金調達が可能 |
| (4) |
企業イメージの向上 |
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適債基準を満たした優良企業としてのイメージアップが期待できる |
2,デメリット
| (1) |
中途償還が出来ない |
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仮に資金余剰が発生しても期中での中途償還が出来ない |
| (2) |
実質的な発行者コストが割高 |
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財務代理手数料や引受料・登録料等がかかるため実質的な資金調達コストは、通常の無担保制度融資と比較すると若干(およそ年利0.5%程度)高くなる。 |
| (3) |
資金調達までに時間が掛かる |
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発行申し込みから実際の資金入金までに通常1ヶ月半程度を要する |
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| ●どんな資金使途に最も合うのか |
上記でいろいろ比較しましたがやはりこの制度の最大のメリットは長期に返済不要な資金を調達出来るということです。そこから考えられることはこの制度を利用するのに最も適した資金使途はその期間経過後までに資金回収をするような機械等の設備資金であるのではないでしょうか。
売上債権・買入債務の資金決済サイトのずれを埋めるいわゆる運転資金は、注意が必要です。もちろん運転資金は通常折り返しで返済と借入を繰り返しているため私募債発行によってその手間を省くことは出来ますが、その性質上売上規模が拡大するにつれて必要運転資金も増大するため、償還時には再度私募債を発行するか、別途融資を受けるなどして資金調達をする必要があるからです。
私が私募債発行したら誰か買ってくれますか?50年償還で(^^) |
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