| ●そもそも「ギントリ」が何かわからない人も |
皆さん、「ギントリ」をちゃんと読んだことありますか?「えっ?ギントリって何?」とおっしゃる方も結構いるかもしれませんが、それは銀行取引約定書というものです。ここまで言っても、うちには関係ないとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は銀行から一円でも借入をしている会社の社長であれば、全員が実印を押印して提出しているきわめて重要な書類です。
一言で説明すると、この銀行取引約定書とは、銀行と借入をする会社との取引に関する憲法のようなもので、何か問題があった場合には、ここにかかれた事項によって問題が処理がされるという書類です。
そんな大事な憲法に実印まで押しているのに、その内容を理解している人は一体どれぐらいいるんでしょうね。実際よく読んでみると結構不平等ですよ。日米地位協定並みに(^^)
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| ●まさに貸してやっているっていう態度の表れ |
何でこんな大切な書類なのに、皆さんがそんな書類にサインをした記憶がないかというと、実はこの書類は第一回目の融資の際に銀行に差し入れられたままで、それ以後の個別の借入の際には提示されることがないからです。一応コピーを渡し説明するようにという指導を銀行はされているようですが、実際どこまで徹底されているかは大いに疑問があります。
通常、対等の立場であるならば、それだけ大切な書類であれば双方が押印の上1通ずつ所持するのが当然と思われますが、内容的にも決して平等とは思われない書類を一方的に差し出させるとはまさに「貸してやっているんだからこっちの言うことを聞け」という態度の表れといえるでしょう。
まあ、借りる方も面倒だからと、銀行員に全部の書類に実印をバンバン押させて、「銀行がそんなひどいことしないはずだから、説明はいいよ」って態度で臨んでいることにも問題はありますよね。
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| ●「ギントリ」にはこんなことがかかれている |
では、その「ギントリ」にはどんなことがかかれているのでしょうか。すべてをここに書くことは出来ませんが概ね下記のようなことが記載されているようです。
| 1 |
請求されたら必要な担保・保証人はいつでも出す |
| 2 |
差し入れた担保は全部の借入に対するものである |
| 3 |
返済が滞った場合、担保は任意に処分して構わない |
| 4 |
返済不能になったら、期限前の分でも全額を返済する |
| 5 |
何時でも預金と借入を相殺して構わない |
| 6 |
その相殺は通告なしでも構わない |
| 7 |
相続預金はどの借入の返済に充てても構わない |
| 8 |
偽造印鑑で生じた損害は銀行は負担しない |
| 9 |
金利は銀行の都合で変更できる |
| 10 |
請求により何時でも財務内容や所有財産の報告をする |
どうです、どう考えても平等な取引とは言えないでしょう。まあ、知っていてもどこの銀行も同様のフォーマットを利用しているのでどうしようもありませんが、どのような内容が書かれているかぐらいは
知っておく必要があるでしょう。
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| ●代表者は包括根保証をとられている |
上記の他で、調べてみて結構びっくりすることがありました。それは、代表者が包括根保証をとられているということです。包括根保証とは、「この会社が借入をしたものについては、すべて保証人(代表者)が保証します。」というものです。
「そんなもの押した覚えはないぞ!」とおっしゃる社長もいらっしゃいますでしょうが、まずほとんどの方がこの包括根保証をとられているといって間違いないでしょう。
ここで疑問に思うのは国民生活金融公庫の「マル経資金」や市町村の特別小口資金のような「無担保無保証人融資」についてです。言葉通りにとらえるならば、無保証人なので代表者の保証もいらないはずですが、これとは別に銀行から融資を受けた場合、代表者は「ギントリ」の別紙で「包括根保証」をしてしまっているため、本来保証の必要のない無担保無保証人融資にもその保証は及ぶことになるのです。そうなると、可能性は低いでしょうが、信用保証協会が代位弁済を拒否した場合には、その借入は代表者が支払うことになるでしょう。
いずれにしても、この包括根保証によって、会社代表者は、会社が倒産した場合には、ほとんどの場合で自己破産が免れず、これが彼らの再起を阻害しているといわれています。
そもそも信用保証協会の保証をつけた融資であれば、銀行への代位弁済は保証協会が行うのでそれ以外に連帯保証人を銀行が必要とする理由はないはず(ちなみに保証承諾書の保証人はあくまでも保証協会に対する保証人です)であり、保証協会付きの融資しかない会社の「ギントリ」では包括根保証の別紙に代表者のサインを求めないという銀行もある代わりに、なんでもかんでも融資といえば代表者の包括根保証を求めるところもあり、対応はバラバラです。
そして、そのなんでもかんでも包括根保証を欲しがる金融機関に「何でなの?」と聞くと「さあ〜」という回答が帰ってきます。(^^)
皆さん、一度担当の銀行員に聞いてみてください。おそらく「ギントリ」の内容すべてをきっちり説明できる人は意外と少ないと思いますよ。
*上記のような状況を鑑み、包括根保証契約自体を無効とし、会社の借入に対する個人の連帯保証にも一定の制限を加える改正が2005年度に行われる予定です。
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