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2004.3

連帯保証と相続

−連帯保証も相続される−

●連帯保証人は債務者本人と全く同じ

今更、このサイトを見ている方で連帯保証人の意味がわからないということはいらっしゃらないとは思いますが、一つだけ注意したいことがあります。それは、「連帯保証人とは債務者本人と全く同じである」ということです。

「えっ?保証人は債務者本人が払えないときに支払えばよいのでしょう?」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。確かに「保証人」には、まずは債務者に請求せよと求める権利(催告の抗弁権)やまず
債務者の財産を処分しろと求める権利(検索の抗弁権)が認められておりますが、「連帯保証人」には、これらの権利が認められておりません。ですから、債権者としては、「いつでも債務者と同様に連帯保証人に対しても返済を求めることが出来るのです。」

前回もお話ししたとおり、銀行と会社間の借入に関する憲法とも言える「ギントリ」(銀行取引約定書)の追加資料でほとんどの代表者は会社の借入金について包括根保証をとられているため、会社経営者は、返済期限到来後はいつでも会社の借入金について、返済を請求される可能性があるのです。

●連帯保証は相続されるのか

では、その連帯保証は相続されるものなのでしょうか。結論から申し上げますと、連帯保証は「法定相続分」で相続がなされることになります。「親父が勝手に保証人になったのになんで!」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、相続ではプラスの財産についても無償で引き継ぐことが出来るのでやむを得ないでしょう。

もし、プラスの財産よりも引き継ぐべき連帯保証の金額が大きい場合はどうしたらよいでしょう。もしその連帯保証を引き継ぎたくない場合、相続が発生した日から3ヶ月以内に相続の放棄または限定承認をすればよいと言うことになります。

でもちょっと待ってください。連帯保証はあくまでも保証であり、実際に支払義務が確定しているわけではありません。ですから、プラスの財産をすべて放棄してまでその連帯保証を逃れる方がよいかは、保証すべき金額だけでなく主たる債務者の返済能力も考慮する必要があります。

●連帯保証は債務控除ができるのか

連帯保証は法定相続分で相続されるということであれば、「相続税の計算をする際、債務控除も出来るのであろう」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、実は連帯保証をしているだけでは相続税の計算上の債務控除はできません。

それは、その時点では、まだ連帯保証人が債務を肩代わりしなければならないことが確定していないからであり、債務控除の対象となるのは、実際に主たる債務者の借入を肩代わりした上に、その主たる債務者が破産等をしておりその者からの回収が出来ないことが明らかな場合に限られるのです。

そう考えると、連帯保証を引き継ぐということはリスクだけ負わされ、何の相続税法上の恩典もない債務と言うことになります。自分の会社の借入であればやむを得ないでしょうが、他人の借入の保証人になるということは、自分だけの問題ではないということを理解しなくてはならないでしょう。

●事業承継時にきちんと対応を

包括根保証とは主たる債務者が過去にした借入とこれからする借入のすべてを保証するというきわめて重い責任のある保証であるため、この包括根保証自体は相続されません。ですが、これまでにした保証分については他の連帯保証と同様に相続されます

要するに「相続人なんだからあなたもお父さんと同じように包括保証人としてこれからの借入も保証せよとは言わないが、今までに実際に保証した借入はこれからも保証してください」ということです。

前述の通り、借入のある会社経営者はまずこの包括根保証をとられているため、その相続人たちは
このままでは相続発生時までにした借入については、すべて保証しなければならないことになります。事業承継者は、これからもご自身が会社経営をなさるので特に問題がないでしょうが、それ以外の方はそんな保証もさせられるのでは、提示された遺産分割案に納得がいかないという場合もあるかもしれません。

ですから、そのような場合、きちんと銀行に自分自身が会社経営に関与しないことを説明した上で、生前に被相続人がした保証についても事業承継者のみが保証するように保証契約を変更して頂くことが重要となります。会社の返済能力等の問題でそれが出来ない場合、遺産分割でそのようなリスクをも織り込んだ額のプラスの財産を相続できるような遺産分割案を主張するか、あるいは保証金額によっては相続自体の放棄も検討する必要があるでしょう。

まあ、銀行であれば、会社経営者の交代時には、通常はきちんと包括根保証承諾書の差し替えも含めてきちんと対応してくれます。でも、リース契約なんか案外そのままのがあったりして(怖)・・・

*包括根保証契約自体を無効とし、会社の借入に対する個人の連帯保証にも一定の制限を加える改正が2005年度に行われる予定です。








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