| ●商法は、トヨタから町の八百屋まで適用される |
商法は、「すべての商人」を対象とし、配当可能利益の算出と債権者保護を目的とした財務諸表の作成を要求していますが、明確で具体的な計算規定はそれ程多くはありません。そこで会社が商法に基づく会計処理を行う場合には、商法のみならず証券取引法や法人税法等の規定を参考にしつつその処理を行っていく必要があるのです。
しかし、その証券取引法は、今日では国際会計基準等との調和をはかるため、税効果会計や減損会計への対応等、非常に複雑でより手数のかかる規定へと変更され続けています。
|
| ●中小企業の実情に合わせた会計基準の設定 |
そもそも証券取引法の規定の適用を受けない中小会社に対して、この複雑怪奇な会計基準を強制させることは、過分に中小会社に負担を強いることになってしまいます。そこで、世界と渡り合う大会社とは別に、中小会社の特殊性や会計処理能力を考慮した独自の会計基準を設定することが、出来るだけ負担を軽減しながら、適時・適切に経営実態等の情報開示を行うために必要であるという考えから、H14.12に日本税理士会連合会が中小会社会計基準の設定に踏み切った訳です。
|
| ●税効果会計の非強制化等現実的なもの |
具体的な内容については、日本税理士会連合会のHPをご確認頂くこととして、大まかに言うと、キャッシュフロー計算書の作成を推奨する一方、前から私が申しているように税効果会計の適用を実質的に強制しない等、中小会社の実情に合わせたものとして、個人的にはかなり評価出来るものになっていると思います。
また、「中小会社会計基準適用に関するチェックリスト」が作成され、これらの項目をチェックすることによって、恣意的な経理が行われていないことを税理士自身が承認する形になっています。このチェックリストを添付した決算書を提示することによって、決算書の信頼性向上が図れることを目指しているのです。
日本税理士会連合会のHPはこちら
|
| ●金利が優遇される融資も登場! |
しかし、この基準に法的拘束力があるわけでもなく、この会計基準の存在自体はっきり言って、誰も興味がありませんでした。おそらくほとんどの税理士も知らなかったと思います。
ですが、連合会もこの会計基準を積極的に浸透させるため、金融機関との提携を進めるようになりました。具体的には、この「中小企業会計基準適用に関するチェックリスト」が添付された決算書を提示した場合、融資の金利を優遇するというものです。金融機関にとっては粉飾の防止が期待出来る一方、税理士にとっては「税理士のおかげで金利が安くなった」と言われお客様に喜ばれるというメリットが期待出来るのでしょう。
各行が独自の商品を開発しているようですが、今回は武蔵野銀行の「企業力」という商品についてご説明致します。
◆武蔵野銀行「企業力」(H16.4.1現在)
| 項目 |
主な概要 |
| (1)融資対象者 |
・当行との融資取引が6ヶ月以上継続している
・業歴2年以上で、2期以上の決算を実施している
・当行のスコアリングシステムで一定の基準を満たしている
・債務超過でない |
| (2)資金使途 |
運転資金、設備資金 |
| (3)融資金額 |
50,000千円 |
| (4)融資期間 |
1年長5年以内 |
| (5)融資金利 |
当行の所定金利(短期プライムレート連動変動金利)
*「中小会社会計基準に関するチェックリスト」提出した場合、上記金利から0.2%優遇 |
| (6)保証人・担保 |
原則として、保証人は代表者のみ、担保は不要 |
武蔵野銀行のHPはこちら
今は、一年前の貸し剥がしが嘘のようで、バブル前夜のような出しまくり状態ですからね。財務基盤がしっかりした会社だったら、金利なんか余裕で交渉出来そうな状況ですけどね。(^^)
|
|