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2003.12

■集中連載■見抜け!粉飾決算

−負債と簿外に潜む罠−

●支払手形は融通手形をチェック

支払手形で利益額を粉飾すると言うことはあまりありません。支払手形で注意しなくてはいけないのは、やはり融通手形の振り出しです。この場合、科目内訳書に記載できないためその他と表示されているか、全く簿外で処理がされているかもしれません。

そうなると我々が決算書を入手しただけではわかりませんが、銀行員のテキストでは疑問がある場合、手形帳の控えを提出させチェックしましょうと記載されています。そして、融通手形が発見された場合、新規融資の差し止め等厳しい姿勢で対応せよとも書かれています。

この低金利時代、資力のある人が手数料欲しさに融通手形に手を貸す例も見受けられますが、後で大きなダメージを受ける場合があるので、融通手形には絶対に手を出してはいけません。

●買掛金は月末分がきちんと計上されているかをチェック

買掛金は、まず前期金額との実額の変動をまずチェックします。これが売上高の増減に比較して急激に減少している場合最終月末分の買掛金を故意に過少に計上している可能性があります。

このことは、買掛金残高を平均月商で割った回転期間を3期間の変動を見て、急激に回転期間が短くなっている場合は、粉飾の可能性があります。さらに、粗利益率が急激に改善していれば、まず「あ−やってるな」と思って間違いないでしょう。

期末買掛金を過少計上するとその分消費税の納税額が増加してしまうため、在庫計上が可能な製造業や物販業では在庫で粉飾をする場合が多く在庫のないサービス業ではこの買掛金を操作しての粉飾が行われやすいといえるでしょう。

税務調査の場合、買掛金の粉飾はものすごい威力を発揮します。いくらこれは交際費だの、この金額を在庫計上せよだの言われても、「すみません、実は買掛金を1ヶ月分計上していませんでした」といえば、ほとんどの修正申告はなくなってしまうと友人の税理士が言っていました。(^^)もちろん、皆さんはやってはいけませんよ。

●借入金は金利を算出せよ

借入金については、簿外で行われたものが社長借入金として還流している場合があります。この場合、通常は発見できません、中には金利だけを損金としている場合もあり、年間金利を平均借入金残高で割ってみた平均金利が銀行借入と比較して異常に高額である場合、簿外借入かあるいは高利での借入を行っている場合があるので一度計算して見ることをおすすめいたします。

この簿外借入金とさらに債務保証の発見は、発見が非常に困難です。M&Aの事前調査等の際でも、「こっちは既に調べてあるんだらか今のうちに言ってくれ。後から簿外債務が出てきた場合すべて話はなかったことにするぞ」と半分脅しながら相手から聞き出し、それでもレポートには「我々が提出を受けた資料によると」という前提条件を加えなければならないほど完全な発見は難しいといえます。

●決算書以外にも常に情報にアンテナを張って

上記の簿外借入金や債務保証をはじめ、決算書だけでは取引先の正確な財政状態や経営状況を把握することは難しいといえます。ですから、やはり頻度の高い訪問から取引先の活動の様子を伺い知ったり信用調査や周辺からの情報収集をこまめに行うことが与信管理の大原則といえるかもしれません。

それにしても、銀行員向けのテキストに税理士が関与している決算書は要注意!と思いっきり書かれており苦笑いしましたが、まあ、こんな事書いていたらそりゃ言われても仕方ないですね。(^^)

でも、金融機関だって関係会社を使ってめちゃくちゃなとばしをした末で倒産したT銀行の例を見るまでもなく、「あんたらに言われたくないよ」とも思うんですけど。(^^)







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