| ●資金繰り表作っていますか? |
皆さん、資金繰り表は作っていますか?資金繰り表といってもいろいろなものが想定されますね。すぐに思いつくのは、キャッシュフロー分析に利用する「キャッシュフロー計算書」や「資金移動表」、融資を受けるために良く作成される、月次での資金収支予想を示した「月次資金繰り表」などですかね。まあ、このあたりは、多くの方がご準備されていることでしょう。
また、この他に、”日繰り”での現預金の入出金と残高を記載した「日次資金繰り表」を作成している方もいられるでしょう。そして、資金繰りが厳しい会社ほど「日次資金繰り表」の重要性が増すことになりますし、その日次資金繰り表に資金不足が表示されるようなケースでは、経理担当者の心拍数は一気に上がることになるのです。
その場合、通常は、金融機関に事前に融資の申し込み等を行うのですが、今回は、不幸にも金融機関に新規融資をすべて断られた「土壇場の状態」には、どんなやりくり方法があるのかを考えてみることにします。
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| ●緊急用資金繰り表の作成 |
結論はそれ程難しいことではありません。このままではすべての支払を期日通りには行えないのですから、要するにすぐに支払うものとすぐには支払わないで待ってもらうものに分けると言った「支払の優先順位」をつけるということです。
では、一体どんな支払の優先順位をつけるべきなのでしょうか。私は、下記のような優先順位での支払とそれを記した「緊急用資金繰り表」を作成することをおすすめしています。実際には、資金不足が解消出来るよう何度も支払日を移動させるので、手書きよりもEXCEL等で作成する方がよいでしょう。でも、そんなものを作っている会計事務所もどうかと思いますが・・・(^^)
緊急資金繰り表の見本はこちら
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| ●緊急資金繰り表の作成 |
異論はあるでしょうが、私は下記のような優先順位での支払をなさるようアドバイスをしています。
「支払の優先順位」
| 順位 |
支払項目 |
コメント |
| 1 |
手形・小切手 |
当然第一順位。一日でも遅れた時点で実質的な倒産へ。 |
| 2 |
人件費 |
社長報酬以外を遅延するようなら廃業を検討すべき。 |
| 3 |
仕入・外注費 |
信用不安防止の視点から「待ったなしの先」と「待ってくれる先」を区分。 |
| 4 |
家賃等 |
信用不安防止の視点から「待ったなしの先」と「待ってくれる先」を区分。 |
| 5 |
銀行借入 |
リスケジュールも同時に要請。ただし要請中も支払は止める。 |
| 6 |
社会保険料 |
すぐに徴収には来ないが、最近は結構強行。 |
| 7 |
税金 |
延滞税は14.6%だが、最もおおらかな債権者。ジャンプも場合によっては。 |
金融機関への支払をそんなにすぐにやめてしまってよいのかと思われるかもしれませんが、すでに新規融資が断られていますので優先順位はあまり上げません。
また、借入金返済の条件変更(リスケジュール)も同時に申請しますが、金融安定化保証のように比較的容易にリスケジュールの認められるものばかりではなく、非常に時間のかかる場合もありますので、支払ながら協議をするというのはあまりおすすめいたしません。
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| ●ギリギリまで頑張ってはいけない |
「借金なんか返さなくてもてもいい」みたいな本がたくさんでていますが、かなりのレアケースを一般化して話している傾向がありますね。もちろん書いてあることに誤りはなく、再建を支援する弁護士も同様の手法を用いている場合もあります。しかし、その弁護士に聞いても、その本に記載されている事例は、最大の効果が上がった特殊事例を紹介しているようで、すべての方に同様の効果があるというわけではないとのことでした。
私のお客様でも「まだあきらめるな!」みたいな本を書いている人の所に相談に行ったところ、高額な相談料だけ取られて、「破産しなさい」と言われた方もいますしね。(^^)
リスケジュールについてもあまり過度な期待はしない方がよいと思います。前述の金融安定化保証など比較的容易に応じてくれるものもありますが、仮に認められたとしても、銀行で10年以上融資を担当している友人に聞いたところでは「実際には、その状態から正常先へと復帰した中小企業の例はない」とのことでしたしね。要するに、銀行としては遅かれ早かれその先は破綻するという認識のようです。
私の考えでは、リスケジュールを含めて金融機関への返済が滞り始めた状態から生還出来る可能性は、かなり楽観的に見ても3%ぐらいではないでしょうか。もちろん特殊事例かもしれませんが、私のお客様の中でもこのような状況から生還した先もあります。でも、金融機関の「息子のマンションを担保に出せば、新規融資を考えても良い」なんていう甘い言葉に惑わされず、早期に法的整理をしたために、非常にスムーズに再起を図れたという例もそれ以上にあるのです。
残念ながらすべての金融機関が新規融資に応じないと言うことは、彼らも、その会社の財務状況と収益体質に大きな疑問を感じていると言うことです。ここで申し上げたことは、金融機関の支援が期待出来ない中、一時的な資金ショートや会社の大幅な改革を行う間のギリギリのやりくりの仕方をお話しているのであり、現状の体制を維持したままノンバンクからの借入を増やすのであれば、状況は悪化するのみであり、それであれば出来るだけ早期に法的整理をした方がよいのではないでしょうか。
最もまずいのは、「今日の夕飯代がない」という位まで、頑張ってしまうことです。そうなる前に、緊急資金繰り表を見ながら「どの支払が出来なくなったら法的整理を検討」するという「臨界点」を見据えた上で会社運営に当たることが必要なのではないかと私は考えます。
まあ、そういう状況の人はネットなんか見ている余裕はないでしょうけどね。(^^)
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