| ●消費税法の改正 |
H16.4.1以降開始の課税期間(法人については、H17.3月決算の法人、個人事業者はH17年度分の確定申告)から消費税が免税となる基準期間の課税売上高が、従来の30,000千円以下から10,000千円以下に引き下げられたのはご存じでしょう。また、同様に簡易課税が利用出来る基準期間の売上高も従来の200,000千円から50,000千円へと引き下げられています。
2000年度では全事業者593万社のうち63%に相当する368万社が免税事業者だったそうですが、この改正により新たに123万社が消費税の納税義務者となる模様です。今回は、この改正によって影響を受ける方たちが、消費税について、影響を受ける初めての期末までにどのようなことを確認しなくてはいけないかについてお話ししたいと思います。
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| ●届出は原則、事業開始の日の前日まで |
課税事業者選択届出書、課税事業者選択不適用届出書及び簡易課税選択届出書、簡易課税選択不適用届出書といった原則的な課税以外の方法を選択する場合やそれを取りやめようとする場合の届出は、原則としてその適用を受けようとする事業年度が開始する日の前日までに出すことになっています。
つまり、今期からそれらの制度を使いたいと思っても既に時間切れであり、そのためには、前期末までにその届出をしておかなくてはならないと言うことです。(ただし、事業を開始した事業年度の場合には、その事業年度終了の日まで可)
そうなると、前期の決算を組んでいる途中でどうも通常課税より簡易課税の方が有利だとわかり、そのとき簡易課税選択の届出書を出したとしても、すぐに今期から簡易課税の適用は受けられないと言うことです。
ですから、消費税については、常に事前にどのような課税方法を選択したらよいのかを検討しておかなくてはならないのです。
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| ●税法改正の影響を受ける方には特例が |
ただし、今回の改正によって新たに消費税の納税義務者になった方にそれらの判断を事前にせよということは荷が重いということから、特例として、初めての納税義務者となった事業年度終了の日までに簡易課税選択届出書を提出すれば、その期から簡易課税が選択出来るようになっているのです。
ですから、最も早く改正の影響を受ける法人でH17.3.31まで、個人事業者はH17.12.31までに通常課税を選択すべきか簡易課税を選択すべきかを決定し、もし簡易課税を選択したいのであればその日までに届け出をすることができるのです。
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| ●簡易課税の効果は続いている |
もう一つ注意して頂きたいのは、簡易課税そのものの性格です。本来、消費税は他者から預かった消費税と他者へ仮払した消費税の差額を精算することが大前提のため、仮払した消費税の方が多い場合、申告によって支払すぎた消費税は還付されることになります。
しかし、簡易課税の場合、仮受消費税に業種ごとの一定の率を掛けたものを仮払消費税と仮定して計算してしまうため、たとえ実際には仮払消費税が仮受消費税を上回る場合でも、残念ながら消費税の還付は受けられないことになります。
また、あくまでもこの簡易課税は特例であるため、一旦採用した場合、最低2期間(場合によっては3期間)は継続して適用する必要があるのです。ですから、簡易課税を選択する場合、簡易課税を選択しなくてはならない期間全体の損得を考慮した上で、簡易課税を選択するか否かを判断する必要があるのです。(本来納税義務がないのにあえて課税事業者を選択する場合も同様です。)
さらに、以前に簡易課税選択届出書を提出した先が、その後、基準期間の売上高が低下し一旦免税業者になったとしても、自動的に簡易課税選択が取り消されるわけではありません。もし、その後売上高が復活し課税事業者になった場合には、その期からすぐに簡易課税が選択されるのです。
ですから、以前は消費税を納税していたが最近は売り上げ不振で消費税の納税義務がなかったという方が、今回の改正で再度消費税の納税義務者になる場合もあるでしょう。そのような方は、過去に簡易課税選択届出が出されていなかったかをチェックした方がよいでしょう。多額の設備投資をしても消費税の還付が受けられないという悲劇が起こるかもしれませんからね。
しかし、123万社も納税義務者が増えたのでは、今でも大混雑の税務相談会がさらにものすごいことになりそうですね。考えるだけで恐ろしいことに(^^)・・・
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