TOP | 事務所案内 | 業務案内 | ワンポイントアドバイス | 報酬額の目安 | リンク | 更新履歴 | 


2005.2
「優良な」債務超過企業の資金調達

−中小企業再生支援協議会の活用方法−

●産業再生機構って何?

このサイトをご覧の方で産業再生機構」のことを知らない方は、まずいらっしゃらないと思いますが、念のため、一言で説明すると、「銀行が保有する不良債権を買い取った上で、それらを減免することも含めて債務者たる企業の再生を支援する機関」ということになるでしょう。

じゃあ、その産業再生機構に案件を持ち込んだことがある人はいらっしゃいます?おそらく、ほとんどいらっしゃらないでしょう。自慢じゃないですが、実は私は、持ち込んだことがあるのです。

それは、まだH15年の夏、まだ実際の再生案件は1つも決まっていないような時期でした。当時、「法的整理を余儀なくされているが、過剰債務さえ取り払えば、高い収益性のため再生は可能だ」と、私のお客様の顧問弁護士が金融機関への債権放棄要請をしておりました。

その交渉は、長期間にわたったものの、その金融機関はマニュアル上、法的整理をしていない中小企業者向けの債権放棄を認めていなかったため埒があかず、その解決策として、産業再生機構への債権譲渡や同機構の関与を「準法的整理」とみなして債権放棄に応じるの可能性がないかを模索するため、同社に案件を持ち込んだのです。

●あくまでも、大企業向け。中小企業には全く関係なし。

当時は、まだ産業再生機構が実際にどのような企業を再生支援先としているのかわからなかったのですが、実際に話を聞いてみると、要するに債務者たる金融機関が多数有り、それらの利害調整が難しい場合に、サブメイン以下の金融機関の債権を買い取った上で「俺も損切りするから、おまえも我慢しろ」とメインバンクに詰め寄るわけです。

では、実際の支援予定先はというと、「当機構は、何も大企業のためにあるのではない。中小企業の案件も大歓迎だ」とセミナーで時の担当大臣が力説をしていたため、その言葉を信じ我々も案件を持ち込んでみたのですが、実際には、完璧に大企業向けであるといえます。「大企業ばかり税金を使って助けるのはけしからん!」という批判をかわすために、中小企業でもOKと言っているにすぎません。

我々が案件を持ち込んだあと、支援先1号の認定が出たのですが、「こんな小さな企業を支援して、国の再生につながるのか」と批判を浴びた、そのバス会社の負債総額は200億円。私の関与した案件の負債総額は、それとは2桁違いましたからね。それも、債務者が2行しかないんですから。二言目には、担当者は「規模は問いません」と言いながらも、全く相手にされないのも納得です(^^)

                               
●中小企業再生支援協議会とは

社会科見学気分で出かけたその先で、代わりに「産業再生機構の中小企業版」である、中小企業再生支援協議会へ案件を持ち込んだらどうかというアドバイスをいただきました。

それで、中小企業再生支援協議会について、調べてみた訳ですが、確かにこの協議会は、産業再生機構同様、弁護士や中小企業診断士がプロジェクトマネージャーとなり、債務超過に陥った企業の経営改善計画を作成してくれるのですが、悲しいことに金融機関からの債権買い取り権限がないのです。

これでは、金融機関もリスケジュールに応じるのが関の山で、風邪程度の病なら治療も可能でしょうが、法的整理を回避出来るか否かのような重病には全く対応出来ません

そもそも、当時は金融機関自体も同協議会に対する認知度が低く、計画書を持っていってもそれ程重視されていなかったため、それであるならば、まあ一応中小企業診断士の私がわざわざ他人に経営改善計画書を書いてもらいに行く理由もないだろうということで、そのときは、案件の持ち込みをしませんでした。

しかし、その後、メインバンク自体が破綻し、サービサーに債権が譲渡されてしまったため、結果的には産業再生機構に債権譲渡されたのと同様、現在、債権放棄について協議を重ねているというのは何とも皮肉なものだと思いますね。(^^)

●再生支援先には特別な融資枠を用意

上記のように、設立当初は、金融機関もその存在意義を軽視していた中小企業再生支援協議会ですが、最近では、ちょっと風向きが変わってきました。一つは、金融検査マニュアル別冊でこの再生支援協議会が作成した再生計画に基づく再建を行っている企業向けの債権を、産業再生機構が買い取った債権と同様に扱うことになったのです。

そして、懸案であった再建計画の裏付けとなる「政府系金融機関によるニューマネーの調達」についても、道が開けることとなりました。これは、要するに、今まではどうにも融資の道がなかった債務超過企業であっても、一定の条件の下、新規の資金調達を行うことが出来る可能性が出てきたということであり、その結果、どうも債権の肩代わりを狙っている気もしますが、金融機関自体が案件を持ち込む例も増えてきているようです。

これは、ものすごく大きなことです。というのも、いくらリスケジュールをしてもらっても、ニューマネーの調達なくして再建計画の成就は非常に困難であるからです。これで、やっとこの再生協議会の意義が出てきたと言えるでしょう。

しかし、何でもかんでも経営不振企業に対し、他の金融機関が見向きもしないのに政府系金融機関が担保を減免してまで融資をしてくれるわけではありません。この制度を利用できるのは、雇用を通じて地域経済活力維持に貢献したり、高い技術力で今後発展が認められるなど、「過剰債務さえなければ収益性が高く、倒産されると困る優良企業」ということになるのです。

でも、この協議会に持ち込むと、無料で経営改善計画書を作ってもらえちゃうんですね。よく考えたら、う〜ん、強力なライバル出現なのね(^^)

                         中小企業金融公庫の企業再建資金の詳細こちら
                         埼玉県の企業再生資金の詳細はこちら
                         商工中金の企業再建支援貸出制度の詳細はこちら
                         国民生活金融公庫の企業再建資金の詳細はこちら



since April.16.2000
Copyright(C)2000 Total Management Consulting Corporation. All Right Reserved