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2005.6
どうしよう、金もないのに利益が出た!

−役員退職金を使ったオーナー企業の節税対策−

●1年限りの利益が出てしまった場合の節税策

ここのところ、一時期の最悪の不況期は脱したのか、私のお客様の中にも、かなりの好業績を記録なさる方が出てきています。

ここ数年、不況の中、血の出るようなリストラを継続した結果、やっと好業績を残せるようになったと思ったら、今度は多額の納税ではやり切れず、できればその利益を将来に備えて内部留保したいと考えるのは当然のことでしょう。

そこで、今回は、期だけ予想外の利益が計上されたオーナー企業の役員退職金を使った節税対策について考えてみることにしましょう。

●役員退職金支給のメリット

役員退職金が、法人税法上損金として算入されるためには、下記のすべての要件を満たす必要があります。

1 損金経理をすること(未払計上も可能)
2 不相当に高額でないこと 
3 株主総会の決議等によって、金額が確定していること
   最終月額報酬×勤続年数×功績倍率(創業社長で3程度)が上限とされています。

支給した役員退職金が損金に算入されると言うことは、当然その金額だけ利益が圧縮されるため、企業の法人税負担はその支給額の約40%(中小企業で課税所得800万円以下の部分は約30%)もの法人税負担が圧縮されることになります。

もちろん、退職金を受け取った役員には、所得税の課税がされます。それでは何の節税にもならないような気がしますが、実際には、この退職金は、他の給与と異なり(1)勤続年数に応じた控除が受けられた上に、(2)課税標準が1/2にされ、さらに(3)他の所得と分離して税金が計算されるという、とんでもなく有利な計算方法で税額が計算されるのです。

ですから、手元資金もないのに、1期だけ予想外の利益が計上されてしまった企業では、高齢の創業者やその夫人が役員に就任している場合、これを機に役員を退職してもらうことによって一気に納税問題が解決する場合があるのです。

                              
●打切役員退職金の損金算入要件

役員退職金は、本来その役員が退任し、現実に会社を退職するまでその支給が認められません。しかし、(1)常勤役員から非常勤役員へ等大幅な職務分掌の変更(2)分掌変更後の役員報酬が概ね50%以上減少した場合等には、実際に会社を退社していなくても、それまでの勤続期間に応じた役員退職金の支給が可能なるのです。

ですから、代表取締役社長が勇退して非常勤の会長職に就任(役員報酬額も半分以下に減額しておいた方が良い)した場合にも、上記のような役員退職金支給による節税効果を享受することも可能になるのです。

しかし、ご注意頂きたいのは、この打ち切り支給の役員退職金は、実際に退社した際の役員退職金と異なり、原則として未払計上が認められず(決算後すぐに支給された場合等を除きます)、現実に支給することが法人税法上損金に算入出来る要件となっていることです。つまり、このような場合には、銀行から借りてでも何とかしてこの役員退職金を支払う必要があるということですね。まあ、喉から手のでるくらい欲しい内部留保(もちろん個人口座ですが)のためですから、それくらいの金利はやむを得ないでしょう。

                                                   
●逓増定期保険や長期傷害保険を使っての事前準備

将来を見据えて、内部留保を構成しながら役員退職金の支給準備することも可能です。具体的には、支払時に損金算入が可能で有りながら多額の解約返戻金が受け取れる保険に加入)すると言うことです。

なお、これを可能にする代表的な保険に逓増定期保険長期傷害保険があり、その特色は下記の通りです。

項目 逓増定期保険 長期傷害保険
保険給付事由 病気・不慮の事故(生命保険) 不慮の事故のみ(傷害保険)
保障期間 定期 終身
保障金額の変化 一定期間経過後逓増 一定
解約返戻金額の変化 ピークを迎えた後減少、満期時はゼロ 概ね右肩上がり
医師の診査 金額によっては必要 不要
*逓増定期保険についてはH18..6月現在の取り扱いであり、将来その取り扱いが変わることがあります
*長期傷害保険については、H18.5.8の国税庁公表資料で、支払保険料の大半が資産計上される旨の変更が為されています。

ただし、短期解約すると少額の解約返戻金しか受け取れない場合もございますので、長期間の資金計画の中で無理のない加入額を決定することが大切です。保険料の支払で手形が落ちなくなっちゃったらシャレにならないですからね。(^^)



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