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2006.3
最適役員報酬額はこう変わる!

−同族役員報酬の給与所得控除相当額損金不算入の影響−

●一定の同族会社の役員報酬に関する改正

H18.4.1以降開始の事業年度より、一定の同族会社の役員報酬額について、その給与所得控除相当額の損金算入が認められなくなることは、ご存じのことと思います。

合理的に内部留保を作成するためには、法人・個人を通じての税負担を最小にすることが必要です。それを可能にするための「最適役員報酬額」の算定方法も、この改正によって大きく変化することになるのです。

当事務所では、この最適役員報酬額を独自のシミュレーションプログラムで算出しておりますが、今回はその結果の一部を特別に公開してみることにします。


●シミュレーションの結果はこんな感じ

私のシミュレーションの結果はこんな感じになりました。

                                                          (単位:千円)
法人所得
(役員報酬控除前)
最適役員報酬額 税金・社会保険合計 負担率
10,000 6,667 2,520 25.2%
15,000 11,000 4,196 28.0%
20,000 12,842 5,866 29.3%
25,000 17,000 7,809 31.2%
30,000 22,000 9,934 33.1%

<前提条件>
 1,資本金1億円以下
 2,役員は1名
 3,所得控除1,500千円
 4,国民健康保険加入
 5,金額は一部概算である。
 6,H18年度実施の定率減税を考慮済み

●役員報酬なんて仮払みたいなもの

負担率を見てもらうと結構高いことがわかります。サラリーマンの方からすれば「実額経費」を控除した後に、さらに「概算経費」とも言える給与所得控除が二重に控除出来るのはおかしいと言うことになるかも知れません。

確かに、会社経営者がサラリーマンよりも税法上の恩典を得ている点が多いことは否定致しません。しかし、私にはどうしても役員報酬とサラリーマンの給与が同じものには思えないのです。

サラリーマンの給与は、余程のことがない限り返還などされないでしょう。しかし、オーナーの役員報酬なんて
設備投資やほんの少し資金ショートが発生しただけで会社に還流させなくてはならない
場合が多いはずです。

まさに、仮払みたいなもので、この仕組みを利用して何とか不況時や設備投資時の「非常食」をコツコツため込んでいる中小企業オーナーにとっては、「もう勘弁してよ」と言いたくなることでしょう。

●適用除外の考え方に疑問も!

さすがにこの規定のインパクトは大きいと考えたのか一定の適用除外が定められています。

今回はあえて全文は載せませんが、要するに「過去三期間の法人の所得(役員報酬控除前)が小さい法人の場合には今回の改正の影響はありませんよ」というものです。

零細業者にまでこの改正案を適用するのは酷だという判断なのでしょうが、私はこの適用除外にも違和感を感じます。

おそらく、新会社法の影響もあり、5月以降、フリーランスやSOHOの人たちの中には節税メリットを享受するため新たに会社を設立する人もいるでしょう。

批判を覚悟でいわせてもらえば、そういう方は、「個人事業者との公平性」の点からも、逆にこの規定は適用されてもやむを得ないと個人的には思っています。

しかし、社会的信用を得るため法人形態をとらざるを得ず、従業員の雇用を維持しながら、景気変動という荒波を乗り越えようと血の出るような思いをしている中小企業オーナーにとって、この改正案は、あまりに酷い仕打ちといえるでしょう。

ところが、この適用除外規定をそのまま当てはめると、それ程所得の多くないフリーランス・SOHOによる「疑似法人」は適用除外になり、より多くの内部留保の必要な設備投資や従業員雇用をする中小企業オーナーでは、ガッチリこの改正の影響を受けることになるのです。

具体的な増税額も、例えば、社長が1,500万円の役員報酬を得ていたオーナー企業であれば、おそらく75万円程度法人税等が増加することでしょう。

まあ、一方でこんなシミュレーションプログラムを作って節税を考える人間がいるから、ドンドン規制が厳しくなるような気もしますけどね。(^^)


*実際には、法人と個人では決算期によって課税対象期間が異なる場合がございます。あくまでも目安としてお考え下さい。

*本来、法人である以上社会保険加入が義務づけられていますが、事例のような法人の場合、現実には国民健康保険へ加入している場合も多いため、今回はあえて国民健康保険加入を前提に計算しています。
皆様は、きちんと社会保険に加入しましょう。

*あくまでも当事務所の試算です。実際の運用はご自身のご判断で行って下さい。







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